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通算第109号(2005年3月創刊)
東京銀座の結婚相談所スタートライン発行のメールニュース
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2009年10月24日
【♪今日の格言: みんながハッピーになんなきゃね♪ 】
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こんにちは、結婚へのガイド役、田代です。
【エピソード: 追憶の季節、結婚】
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大学生だった頃、その若い男と女は愛し合っていた。
遅めの初恋同士だった。
毎晩のように電話をし、毎週末は互いのアパートに泊まりに行っていた。
社会人一年目、隆(たかし)は地方の支店に配属。遠距離恋愛となった。
しかし、ささいな誤解がもとで二人は口を聞かなくなり、音信は途絶えた。
とっさの感情に駆られ、女は何かと気にかけてくれていた職場の
別の男と結婚した。 男は再婚だった。
隆は恋愛そのものに苦い思いを抱き、彼女の前から立ち去った。
時を経て、女は11月のある日、渋谷駅のバスターミナルにて、
何年か振りかで、かつての彼、隆の姿を見かけた。
「タカシ?」 と声をかけた。
男は振り返った。
最初、学生時代の、あの彼女だとは気づかなかった。
それ程、老けて見え、自分よりかなり年配に見えたのだ。
「マキ! どうしてこんな所に?」
思わず真紀は何かを待ち受けるかのように顔を上げたが、隆は片手を差し出してきた。
真紀はその手を握った。
「あたし、今は横浜に住んでいるの」
「へえ?」 洗練された微笑みだった。
時をおかず、何かを懐かしむかのように、ふと眉間(みけん)にしわを寄せた。
「その後どうしてるかしらって、時々思っていたわ……あなたのこと」
「脱サラって言うのかな、独立して弁護士になったんだ。いい事務所でね、青山にあるんだ」
「もう結婚してるの?」
「うん、娘と息子が一人ずつ……」
大勢の人がバスから降りてきて、二人のそばを通り過ぎて行った。
もちろん二人の知らない人たちだ。
午後も遅かった。
日暮れが近かった。 寒さが身にしみてきた。
「それで、君のご主人は?」
「……うちはね、男の子が1人。今あたし、代官山のデザイナーズショップで働いているの」
「きみ、とても……」 一瞬、間があいた。
「……元気そうじゃないか」 隆は言った。
真紀には、わかっていた。
バスストップの前で、気がつくと懸命に昔の青春時代をたぐり寄せようとしていた。
学年は一つ上、隆は現役、真紀は浪人していた。
今はもう学生の頃の若々しさなどは、どこにもない。
隆はまだまだ若々しかった、さっそうと見えた。
「あたし達、駅前に住んでいるの。そのうち遊びに来て」
「ああ、いいよ。マキもご主人とうちへ食事に来てくれよ。
広尾なんだ。日曜の夜ならいつでもいいから。家内も僕も大歓迎するよ」
木の葉がゆっくりと陸橋の横の木立から舞い落ちた。
風もないのに落ちてきた。
11月も半ばを過ぎた日の夕暮れだ。
真紀は少し気の滅入るのを感じた。
「ええ、ぜひうかがうわ」
「うちの王子様とお姫様にも会ってやって欲しいし」
隆はうれしそうにニッコリ微笑んだ。
突然、早めのクリスマスソングが付近のデパートから聞こえてきた。
青白い夕闇の中に、華やかなメロディーが躍りだした。
「あたしが乗るバスが来たわ」
隆は手を差し出した。
「じゃあ、」 「こんどいつ……」 と真紀の耳に伝えたかったけど、
急発進するバイクの音にかき消されてしまった。
ジングルベルが、途絶え途絶えに聞こえてきた。
口を開けるのが恐ろしかった。
あけてもとうてい言葉が出てこないような気がしたからだ。
突然、大きな声で叫んでいた。
「今度ね!」 だが、既にバスの扉は閉まっていた。
バスは動き出した。
隆の姿は見えなくなった。
その時になって真紀は思い出した。
自分のメルアドを伝え損ねたことを。
彼の携帯を聞き出すことも。
そして、我が子を、隆志(タカシ)と名付けたと伝えることも。
■まとめ:
時は残酷な程、前へ前へと進んでいきます。
楽しい思い出も、悲しい思い出も、もう二度と戻ってきません。
だからこそ、私たちは「あの素晴らしい愛をもう一度」と歌わざるを得ないのです。
そうであるなら、後ろのものは忘れ、手放して、ひたすら前だけを
みて、婚活も進ませたいものですね。
今週は、それができる、あなたのために書きました。
ウェディング・ベルを鳴らすその日のために
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尚、今回のエピソードには特定のモデルはありません。
著者の純粋な創作、フィクションです。念のため。
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◆編集後記
フォーククルセダーズで一世を風靡した加藤和彦さんがお亡くなりになられました。
読者の皆さんのご両親の世代なら、良くご存じのグループであり、ミュージシャンです。
謹んでご冥福をお祈りします。自殺だそうです。
自殺とは……、想像するだけでも辛いですね。
自殺ではありませんが、南田洋子さんも天国へ旅立たれました。
併せて謹んでご冥福をお祈りします。
秋とはいえ、しんみりとした「編集後記」になってしまいました。
次回は元気に締めくくりますね。
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【執筆者】 田代 ゆき生
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