♪ 自分の幸せは家族に支えられつつも、家族によって幸せかどうかが決定するのではない。
1月4日付け読売新聞の「日本3.11あれから 幸せの座標」に、精神科医、香山リカさんの興味深い記事がありました。以下、ご紹介します。
被災地では、家や車など、幸せになるためにお金をかけてきたものが、ことごとく流された。私たちは、「絆」という言葉に表されるような目に見えない関係性が大事なのだと、実感するようになった。
大学で最近の学生を見ていると、「昔ながらの家族がいい」という気分が浸透している。経済の停滞や就職難もあり、家族への期待度が高まっているのではないか。
家族なら自分を無条件に認めてくれると思っている。しかし、これは幻想だろう。私たちは家族のしがらみから逃れようと、核家族や一人暮らしでも不自由のない社会を望んできた。
これに伴い地域の力が弱まり、子育てや介護など、家族に求められる責任が増した。私の診察室には、家族関係で悩む人が多く訪れる。
親の存在が重たいという子、引きこもりやニートなど心理的、経済的に子どもに依存されている親もいる。少子化で家族関係が濃密になったが、一概にそれがいいとは言えない。
これからは、もっと多様な家族のあり方を受け入れられるといい。震災孤児をきっかけに里親への関心が高まったが、血のつながりのない親子関係もその一つだろう。
自身子どもがおらず、里親になることを考えたこともある。原発事故で福島県の子を受け入れた家庭もあり、社会で子どもを育てるという意識の広がりを期待したい。
自分の幸せは家族に支えられつつも、家族によって幸せかどうかが決定するのではない。一人ひとりが心理的にもある程度自立していくことで、豊かな家族関係を築くことができるのではないか。
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