「安くて安心」氷河期世代に人気
晩婚化が著しい東京で、品川区が約2年前に始めた結婚支援事業が人気を集めているという。
参加者たちの多くは、バブル崩壊後の就職氷河期に大学や高校を卒業した30代の独身男女。
同期入社が少ないために社内恋愛も望めず、信頼できる区の“婚活”イベントに活路を見出そうとしているようだ。 区内で開かれた婚活セミナー&パーティに潜入してみた。
「ご趣味は何ですか?」
日曜日の夕方から夜にかけて品川区のしながわ水族館で開かれた区の結婚支援イベント「しながわマリッジサポート」には、区内在住・在勤の男女約40人が参加していた。

参加者の年齢層は20~40代で、主流は30代。 職業はインターネット会社や医薬品会社の社員などさまざまで、清楚なブラウスに身を包んだきれいな女性や、すらりと背が高いかっこいい男性の姿もあった。
区の委託を受け、この事業を実施する結婚支援会社の担当者は「始めて2年目になるが、最近は『異性との話が苦手』といったステレオタイプの参加者は減り、ごく普通の社会人が目立つようになった。
婚活という言葉が定着し、出会いの場への抵抗感が薄れたこともあるのでは」と話す。
イベントでは毎回、専門講師から結婚のコツを学ぶセミナーが開催されるが、今回初めて男女一緒の実施に踏み切ったという。
「かつては異性とのつき合い方の基本を男女別々に学ぶセミナーを開いていたが、参加者層が変わり、より現実的で実践的な内容に近づけた」そうだ。
セミナーの後は、貸切り状態となった水族館で、イルカを見ながらの「お見合いパーティ」。「なかなか出会いがなくて」「これを機会によろしく」。
参加者たちはビールを飲んだり、オードブルを食べながら、会話を楽しんだ。
区によると、晩婚化・少子化対策の一環として、この婚活イベントを始めたのは平成20年9月。
応募者は増加傾向にあり、21年2月のイベントでは40人の定員に約4倍の応募があった。
人気の背景にあるのは区主催という安心感。 男性が多い職場に勤めるというSEの男性(33)は「職場で全く出会いがない。ネット上の婚活市場は怖い印象があるが、区の主催なら安心して参加できると思った」と話す。
一方、不況にもまれた"堅実世代"の20~30代にとって参加費の安さも魅力のようだ。
このイベントの参加費は食事も合わせて5千円。参加した石油会社勤務の女性(36)は「同期入社の男性が少なく出会いがない。1回のお試し価格で参加できるこのイベントは魅力的」
一方で、これまでのイベント参加者は延べ240人だが、成婚カップルはたった1組に留まり、即、結婚に結びつくものではなさそうだ。
この数字が結婚へのハードルの高さを如実に物語っている。
区は「イベントがきっかけで、結婚に結びつく行動につながり、結果的に少子化対策にも結びつくと思うのですが」と話していた。
(7月9日付け産経新聞 多摩版より)
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