夢と現実の間で、現代の結婚はー。
京都女子大学で11月3日、「読売・京都女子大 女性アカデミア21」が開かれた。
京都女子学園の創立100周年を記念したフォーラムで「結婚に何を求める? 結婚・非婚の社会学・経済学」をテーマに、中央大学の山田昌弘さん、画文家の太田垣晴子さん、京都女子大準教授で国際結婚に詳しい嘉本伊都子さんが登壇し、約250人の聴衆を前に結婚の「今と」と「これから」を語り合った。
【問い】 理想と現実のギャップは拡大を続けるのか?
【回答】 (山田、中央大教授) 中流社会では「理想はともかく、現実はこの辺かな」と「落としどころ」を見つけやすかった。
今後は、就労状況や所得の格差がさらに拡大する。 妥協点が容易に定まらないのではないかと懸念する。
(嘉本、京都女子大学准教授) 大学の卒業生に、後輩の学生が尋ねたことがある。 「就職して、結婚相手の理想は変化しましたか」と。
先輩の答えは「ますます高くなりました」 彼女は高級取りで、仕事にも燃えている。 給料は全額、服代に消える。燃えている。 「こんな生活やめられへん」という境遇だ。
結婚の理想が高まる一方のケースだ。
(太田垣、画文家) 以前、結婚相談所を体験取材した。 身長、年齢 、年収など理想の条件を入力している方式だった。
私は「175㌢以上、、同い年か年下、年収700万円以上」を希望した。 そこへ、コンサルタントが登場する。
「太田垣様、175㌢以上にこだわると、174㌢の方とは出会えませんよ。 それに、年収700万円の方は、年上の女性はお好きではないと思います。もっと条件を広げてはどうですか?」と(笑)
これが結婚相談所なんだと感心した。 理想から少しずれた方が、うまくいく場合が多いとも聞いた。
【問い】 結婚というゴールを左右する要素は何か?
【回答】 (山田) 結婚できやすい男性、そうでない男性を調査した結果、最大の要素は収入だった。
所得が中位層以下の男性では、コミュニケーション能力の高さや考え方の柔軟性が重要と分かった。女の役割分担に関する考えが柔軟な男性ほど、相手に恵まれるとの明確なデータを得た。
実のところ男性は、コミュニケーション能力を鍛える場が少ない。 相手がいる男性は、彼女とのやり取りで経験値がどんどん上がり、いない人との格差が拡大する。
若い男性は、どこかでコミュニケーション能力を高める必要がある。
(太田垣) デートやコンパのマナーを教える講座もある。 男性には、待ち合わせの仕方や最初の会話などを場面劇で教える。
コミュニケーションが苦手な男性が多いことを知った。 首都圏での講座だったが、賀川県から参加した
(嘉本) コミュニケーション能力のある人は、交際をどんどん拡大していく。 逆に、ない人はネット上で仮想恋愛しかできない状況に陥る。
両者の中間で、ほどほどのコミュニケーションができる人が、少なくなっているように思う。
【問い】 未婚の娘、息子を持つ親へのアドバイスは?
【回答】 (山田) とにかく自立を促すこと。 結婚願望があるのに子供が腰を上げないのは、世話のし過ぎ疑った方がいい。
独り暮らしが最良の方法だ。 給料を全額入れさせて小遣いをやる制度にすれば、子供はあっという間に実家を出ていく。 自立のためには、それ位してもいい。
(太田垣) 40歳過ぎで親元を離れぬ「パラサイト・シングル」の男性が、周囲に結構いる。
友人の忠告も、聞き入れようとしない。 やはりここは、親がビシッと決めないといけない。
(嘉本) 「大人になる」とは何か。 大学生をはじめ、若者はなかなか理解できていない。
いつまでも子供のままで、年齢だけ重ねる社会になっている。 皆さん、面倒くさがらずに子どもをしかってください(笑)
【問い】 若者への直言を。
【回答】 (山田) 理想的な結婚ができたらいい。 だが、できなかった場合のことも考えておく必要がある。
「結婚しても幸せ・独身でも幸せ」という考え、どっちに転んでも幸せになれる計画を立てて対応力を身につけることが肝心だ。
結婚詐欺被害の深刻化も見逃せない。 35~44歳の未婚男性は200万人以上。 うち約2,3割は女性と一度も交際したことがないはずだ。
女性に初めて特別な目で見てもらい、何百万円もの大金を簡単に払ってしまう。 非婚者を狙う犯罪に気をつけなければならない時代になってきた。
(嘉本) 「何かをつかんだら幸せだ」という考え方は捨てた方がいい。
何をしたいのか、どんな人生を選択するのかを常に問われる社会になった。 その上で、選び取った人生に責任を持つ能力を求められている。
(太田垣) 私の人生で最も気楽だったのは、「お一人様」の時期だった。 結婚して責任が生まれ、これはこれで面白い。
もし離婚することがあっても、後悔しないでやっていける自信もある、まずは自分だな、と思う。 結婚するか、しないかの選択も含め、「周囲に流されないで」というのが私のメッセージだ。
(12月5日付読売新聞 読売・京都女子大 女性アカデミア21「討論より」)
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