結婚相手を求めて、自分自身で積極的に活動する「婚活」が盛んだ。 先の見えない不安感や、出産できる年齢の限界が迫ってくる焦りなどが背景にあるようだ。
少子化の一因は未婚率の上昇にあるとも言われており、行政側には、出生率アップへの期待が見え隠れする。
新たなビジネス続々
6月のある土曜日。 東京都内のビルの一室で、約30人の男女が2人一組で向かい合って座っていた。 「お仕事は土日が休みなんですか」 「温泉に行くのが好きなんです」
4分毎に男性が右隣の席に移り、別の女性を相手に再び自己紹介を始める。 その後はフリータイム。どこに座ろうか迷う人もいた。
このイベントは、結婚相手サービス業大手の会社が30~40代の会員を対象に開いた。 担当者は「立食形式だと、男性が女性に話しかけづらい。座ると相手との距離が縮まるので親近感も増します」と話す。
別の紹介サービス業大手の会社。 今春の同社への資料請求は、前年同期に比べ一割ほど増えた。
女性に限れば約1.5倍の大幅増だ。 モテるためのマナー講座、独身限定の会員制のバー。 新しい婚活ビジネスも続々と登場している。
婚活を題材にしたテレビドラマも相次いだ。
昨年3月、「自動的に結婚できない時代が出現している」と指摘する「『婚活』時代」の出版で火がついたブームは、いまだ衰えていない。
お見合い婚は廃れ
同署は、山田昌弘・中央大教授とジャーナリストの白河桃子さんが共著で出版、婚活による自助努力を提唱した。
国立社会保障人口問題研究所(社人研)の05年調査では、未婚男女の9割が「いずれ結婚するつもり」としたが、約半数は交際相手がいなかった。
25~34歳の男女の約半数は、結婚できない理由に、適当な相手に巡り合わないことを挙げている。
一昔前は、親類や近所の知人など周りの人たちが「結婚適齢期」の男女に見合いの相手を紹介する習慣があった。
戦前は7割が見合いで結婚、恋愛結婚は1割程度だったが、60年代後半に逆転。 習慣は次第に廃れ、見合い結婚は今や6.2%に過ぎない。
右肩上がりの給料が約束された夫と、専業主婦の妻。 画一的だった家族像やライフスタイルも多様化した。
ブームの背景には将来への不安感もある。 広報担当の三沢さんは「フリーター、派遣社員など不安定な働き方の人が増え、『将来が見えないから早く結婚したい』という傾向が見える」
不安は正社員にも広がっている。 大手企業に勤める東京都品川区の女性(26)は先週、紹介サービス会社に入会した。
「自分の会社もいつ、つぶれるかわからない。こんな時代だからこそ、早く経済力のある人と生計を共にして、少しでも精神的に安定したい」と打ち明ける。
出産したい年齢から逆算して、結婚を考える女性も少なくない。 3月に紹介サービスに登録した東京都江東区の会社員女性(34)は「最近、出産のタイムリミットを考えるようになった。
1年くらい付き合って、35歳位で産めればいいな」と話す。 行政サイドは、婚活が少子化傾向の歯止めになるのではと期待する。
欧米では未婚カップルから生まれる子供全体の30~50%を占めるが、日本ではわずか2%程度。 出産と結婚が密接につながっている。
総務省の国勢調査によれば、30~34歳男性の未婚率は75年に14.3%、女性は7.7%だったのに対し、05年にはそれぞれ47.1%、32.0%に上昇。
その間、厚生労働省の人口動態統計では、女性一人が生涯に産む子供の平均数(合計特殊出生率)は1.26に下がった。
社人研の人口動向研究部長は「少子化が進んだ最大の原因は、結婚しない男女が増えたこと」と指摘する。
合計特殊出生率はここ数年微増し、08年は1.37だったが、人口減少傾向は変わらない。
出生率が1.0を切る東京都品川区では、昨年度から少子化対策として、独身者対象の交流パーティ開催や結婚相談窓口の設置に取り組んでいる。
行政の主催だということに安心感があるのか、親からの問い合わせも多く、3回目となる6月の交流パーティんは、男女20人ずつの募集に計139人の応募があった。
地域活動課長は「この事業をきっかけに結婚し、区に住んでもらって、出生率の上昇につながればと願っています」と話す。
国レベルでも、少子化担当相の私的懇談会「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」が6月、従来の子育て支援策に留まらず、恋愛・結婚にまで視野を広げた政策的対応が必要だとする提言をまとめた。
一発逆転の手段ではない 山田昌弘・中央大教授(家族社会学)に聞く
婚活という言葉がブームになる事で、待っているだけでは結婚できない現状が広く理解されたと思う。
ただ、一部の人たちから「高収入・高学歴の男性を獲得する一発逆転の手段」と、間違って受け止められているのは困る。
年功序列の給与体系が崩れ、いつ首を切られるか分からない時代に、高収入を安定的に得られる男性は多くないのが現実。
男は仕事、女は家事という旧来の役割分担意識を変え、女性がある程度稼げる状況を保っておいた方が、男性も安心して結婚に踏み切れるのではないか。
収入が不安定で将来の見通しが立たず、子どもを持つ気にならない人も多いだろう。 婚活ブームで今後、結婚が増えたとしても、出生率の上昇につながるかは未知数だ。
(7月16日付朝日新聞「生活」欄より)
「結婚情報ニュース トップ」へ戻る
東京銀座の結婚相談所スタートラインが運営するホームページ
東京で結婚できるスタートライン TOP へ