「草食系男子」という言葉がはやるなど、若者の恋愛離れが深刻だ。 現代人は、愛や性にどう向き合うべきなのか。
エッセー集「欲情の作法」(幻冬舎)が話題の恋愛小説の名手、渡辺淳一さんに聞いた。
(佐藤憲一)
(3月31日付け読売新聞文化面より)
「僕らの若いころ、男たちは積極的で、『いい女』を見るとすぐ口説きたいと思ったもの。 でも今の20,30代の話を聞くと、内向的で恋愛志向が弱くなっているような気がするね」
異性にガツガツせず生活も安定志向。 オオカミのようなハンターではなく、草食系動物に例えられる若い男性を見てそう感じるという。
一方で戦国武将などの強さにあこがれる女性「歴女」が増えていると言われる背景にも、「今の男が頼りないから、自分をリードして欲しいとう思いを託す女性が多い」と推察する。
25万部のベストセラーになっている「欲情の作法」は、「頑張って恋愛を」とその心構えを説く。
無数の精子のうち卵子に飛び込めるのは一つだけ。 その例を端緒に「男は振られる生き物」であると割り切り、「理屈より行動を」と、積極果敢に異性を口説くことを勧める。
「性的な高まりに時間差があるなど、男と女は恋愛の生理が全く違う生き物で、だからこそ惹かれあう。
そこをまず認識する必要がある」
結婚情報サービス会社の調査では、「交際相手のいる新成人の割合が14年前の50%から27%に半減したとの調査結果もある。
晩婚非婚化など近年の男女関係の変化は、時代性と関係が深いという。
「かつて戦争から家族を守り、力仕事をこなしてくれる男性は信頼されていた。 しかし平和で機械が重労働をこなしてくれるようになって、男性の地位が崩れ、自信をなくしている。
元来、男はナイーブで、女性の方が意志も性格も強い」。
その変化の中で、振られても傷つくことを恐れるな、という今回の本は価値ある提言ともいえるだろう。
良い意味で鈍感であるべきだと説く、2007年のベストセラー『鈍感力』も、今回の本同様、何事にも過敏になりがちな現代の風潮への危惧が込められていた。
(中略)
75年の人生体験に裏打ちされた実践的「恋愛のススメ」。 今の若い世代の心にどう響くだろうか。
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