「両親の家のシングルベッドで元日の夜を迎えるなんて冗談じゃない」
ロンドンで独り暮らしの30代キャリアウーマンの私生活を描いた人気小説
「ブリジッド・ジョーンズの日記」(ヘレン・フィールディング著、ソニーマガジンズ)の一節だ。
孤独の中でも、「本命」の恋人を貪欲に探そうとするブリジッドの悪戦苦闘が受けて、ベストセラーとなった。
ロンドンは、大都市のシングルトン(パートナーのいない女性)の動向を映しだす舞台として世界に知られることになった。
「男に餓えた彼女の生き方を支持する友人などいないわ」ケンブリッジ大を卒業し、大手新聞に勤務、ロンドンのアパートで独り食らすネル・ボアースさん(31)に共通項を見出し、そう水を向けてみたが、気分を害したのか、「一緒にしないで」と言わんばかりだった。
だが、英統計局によると、25~44歳の女性の独り暮らしは過去20年間でほぼ倍増、約8%を占める。
その多くがロンドンに集まるのはキャリア志向の女性にふさわしい就学と就労の機会があるためだ。
シングルトン は恋愛至上主義と相入れず、約6割はパートナーがいなくても充実した人生を楽しめると考えている。
消費意欲は旺盛だ。 例えば、30足以上の靴を持つ割合は25%とも。
恋愛志向と一線を画す女として「フリーメイル」とも呼ばれ、豪華旅行や単身用の高級マンションの市場を過熱させる重要な消費者でもある。
「金融危機により、女性の結婚はさらに減る」との指摘もある。
著名な社会学者ジャン・マクバリシュ氏の予測で、将来への生活に展望を持てないということだ。
今後、一人世帯が増え、ロンドンのアパートが独身者に"占拠"される日々もそう遠くないという。
もちろん、ネルさんも恋人が欲しい。
複数の男性とデートしては「生涯の伴侶」を探す。 だが、焦りはない。 「自分のライフスタイルを保つことが大切」
仕事も恋愛も妥協しないでプライドを持って生きていく。 そんな女たちを街が包み込む。
(11月27日付読売新聞 国際面「ロンドン五景5」より)
参考情報ページ 「シングルトンとは」
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