山田昌弘・中大教授(家族社会学)
「女性は結婚しなくても、十分に幸せな人生をおくることができる」は確かに過去最高となった。 しかし、これは結婚を否定しているわけではない。
「結婚した方がよい」が「結婚しなくても幸せだ」と、選択肢が広がったということだ。
また、現実に結婚できない人が増えている中で、「結婚しなくても、幸せに生きていくことができる」という"願望"の表現ではないだろうか?
むしろ、「人は結婚した方がよい」と考える人が、ここ数年で急増し、特に若者の間で大幅に増えたことに注目したい。
「独身は不利だ」という意識が急速に浸透したのだろう。
かつてのバブルの時代、比較的高い収入を得ていた若者たちには、結婚しないことが格好良く見えた。
お金があって、ボーイフレンドやガールフレンドがいる。
そんな暮らしを思い浮かべていたのだろう。
しかし、実際に独身の人たちが中年になってみると、かつあこがれたような生活をしているわけではない。
格差社会が進み、厳しい経済状況が続く中で、若者は結婚に経済的安定を求め、親も「何とか子供に結婚してほしい」と願うようになったと言えるのではないか?
「結婚の良い面」として「子供を持つことができる」が増えたことも、社会への不安が反映している。
今の社会保障制度は家族や子供がいることを前提とした仕組みになっている。
先行きが不透明な中、信頼できる存在として子供がいてほしいとの意識が高まっているのだろう。
ただ、今の「結婚」は、かつてのような枠にはまったものではない。
「適齢期」へのこだわりが薄れ、「親が反対しても結婚して構わない」との意見も多数を占めた。
離婚に違和感を持たない人の割合も最高になっている。
多様な結婚の形を認めた上で、パートナーや子供を得ることを肯定的に見る意識は今後も強まっていくだろう。
(8月27日付読売新聞「本社連続調査 結婚観」より)
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