家族社会学者・中央大学教授 山田昌弘さん
「パラサイトシングル」「格差社会」など、若者の現状を鋭く分析したテーマで、社会が抱える問題を浮き彫りにしてきた。
最新作の白河桃子さんとの共著「『婚活』時代」では、より良い就職をするための「就活」と同様、より良い結婚のためには「婚活」が必要だと説く。
昔の意識ではダメ
就職と同様、結婚にも活動を支援するためのサポートが必要なのではないか、というところから、「結婚活動」というキーワードができ、今回の「婚活」という言葉が生まれました。
就職にも言えますが、昔は、ベルトコンベアーに乗るように、男女が自然に出会って結婚することが当たり前でした。
しかし現代は、女性も待っていたのでは結婚できません。 自由恋愛が広がり、結婚にも選択肢が増えた今、それに見合った活動能力を身につける必要が出てきた。
社会状況が変わったのに、意識は昔のままではダメで、活動内容も意識も変えなくてはいけない、ということを主張したかったのです。
講演をすると、親世代の方も多く来られるのですが、結婚に関しては、当人より親の方が焦っています。
「自分たちが当たり前にできたことを、自分の子ができないのはおかしい」 「親の育て方が悪かったのではないか」と。
決してそういう訳ではないんです。 結婚は、就職やニート、フリーター問題と同じ。
「なぜ結婚できないんだ」「なぜ正社員になれないんだ」と怒るのではなく、社会の状況が今、こうなっているのだから、就活や婚活するようにサポートすべきです。
結婚していなくても、恥ではありませんが、そこに安住していると、将来困る可能性もある。 だから、結婚したいなら、色々な活動をしなてくてはいけませんよ、と。
そうした意味では、当事者はもちろん、適齢期のお子さんを持つ親世代にもぜひ読んで欲しいですね。
構造読み解く醍醐味
もともとは数学者になりたかった。 結果的に社会学を選んだのは、家族という茫漠たるテーマを研究したい、という思いからです。
数や図形の中に潜む構造を読み解くのが数学者ならば、社会の中に今まで見えなかった構造を発見するのが社会学です。
一見、カオスに見えるところに構造を見出し、明らかにすることが、この仕事の醍醐味です。 今、研究テーマとしてまとめているのは「子育て世代の格差」です。
未就学児を持つ世帯で、年収100万以上の「稼ぐ親」と、300万未満の「稼げない親」が増え、以前のような「中流の子育て」が減少しています。
家庭教育や保育のあり方が二極化する、その実態や原因、問題などの解明に取り組んでいます。
普段は、仕事柄「休日」という概念がありません。
オン・オフの境を作るため、無理して休みを取り、娘との唯一の共通の趣味でもある観劇の予定を入れています。
先日も宝塚を見てきましたが、疲れが吹き飛びました。 たまに劇評も書きますが、いつか、本業にしたいですね
(6月29日付け読売新聞「日曜求人欄 オンの才人オフの達人」より)
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