■海外結婚式に「秘書」サービス
秋の結婚式シーズンに真っ盛り。
「式は自分たちらしくこだわりたい」という願いを叶えるには入念な準備が欠かせないが、仕事が忙しくて思うにまかせないカップルも多い。
そんな人たちを対象に、旅行会社が海外結婚式の秘書サービスを始めた。海外事情に詳しいスタッフが準備を進めるもので、人気も上々。
一方、式場の席次表を簡単に作れるソフトなど、「忙しいカップル」を応募する便利グッズも続々登場している。
■旅行会社が企画、成約220組
2007年5月にハワイで挙式を予定している千葉市の会社員柳谷さん(26)と婚約者の日暮さん(26)が9月の日曜日、東京都港区の「JTBウエディングプラザ」南青山を訪れた。
待っていたのは「秘書」の小倉さん(34)。一緒に、近くにある提携先のサロンに、ドレスの試着に向かった。
小倉さんは、JTBが今年2006年3月に始めた海外結婚式秘書サービスの専従スタッフ。南青山の店で、ドレスや宝石選び、海外の結婚式場や旅行、帰国後のお披露目会の手配などをする。
柳谷さんたちは、婚約指輪を買った店でこのサービスを知り、申し込んだ。この日の試着も、小倉さんが秘書業務として予約をした。
柳谷さんが選んだのは、すそにレースが入った少しクリーム色のドレス。小倉さんは「5月のハワイなら、これぐらいの色が映えますよ」。
ハワイの式場を実際に見ていない2人に、小倉さんは結婚式場の間取りなども詳しく説明する。

■現地視察まで肩代わり
小倉さんのような秘書スタッフは、現在6人。「結婚」に関する社内研修を1年間受け、海外の式場視察や、提携先のドレスの試着などもしてきた。
結婚式場はハワイ、グアム、パリ、沖縄が4本柱で、軽井沢や北海道などのリゾート地での結婚式も手掛ける。
「秘書」を依頼する場合、客は、ホームページに掲載しているプロフィールなどを基に指名し、1時間半の面談をして決定する。
「自分が選んだ気があった人に相談できるのがいい」と柳谷さん。
契約料は1万500円。結婚式場の下見や結婚式当日に秘書役が添乗する場合は、別に費用がかかる。
このプロジェクトに立ち上げからかかわった店長は、
「海外結婚式は、結婚する2人の他に、参加する親族や友人の方々にもJTBを使ってもらえるので、契約料はこの額で妥当だと思う」と話す。
秘書サービス開始から半年で、成約は220組。店長によると、そのうち働いている女性は9割近いという。
「最近の女性は本当に忙しい。そんな人たちの代理人として、海外との連絡や調整などは秘書に任せてもらっています」
財団法人・家計経済研究所が継続して実施している「消費生活に関するパネル調査」を分析したところ、1993~1997年に28歳だった未婚の女性正社員の労働時間(平日)は平均8時間48分だったが、2003年、2004年の28歳は32分増えて9時間21分に。
33歳時点の労働時間も、同じ期間に35分に延びていた。働く時間が長くなったうえ、結婚しても仕事を辞めない人も大幅に増えた。
同研究所の2000年調査では、新婚女性の56.3%が結婚後も独身時代の勤務先に勤め続けていた。その割合は1997年(32%)から24.3ポイント高まった。
次席研究員は「経済状況を考えると、結婚してすぐ夫の給与だけで家計をやりくりする考え方は少数派になってきているのでは」と話す。
(10月21日付朝日新聞「生活」欄より)
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