マザコンとは、マザーコンプレックスの略で、この場合子供自体を指して言うこともある。
母親に対して、子供が強い愛着・執着を持つ状態を指す。 なお、これは正確な心理学用語ではなく和製英語である。
マザコン の用語の初出についてははっきりとは分かっていない。 だが、昭和40年代には普通に使われるようになった。
現代用語の基礎知識には1973年度に初出しているが「母親錯綜」としか述べられておらず定義に関しては曖昧なものであった。
また、1970年の長谷川町子の四コマ漫画には当時から親孝行が同じように扱われていた事を風刺したものもある。
1992年にテレビドラマ「ずっとあなたが好きだった」(TBS)が大ヒットした。 このドラマの主人公の夫・冬彦は実際には マザコン というよりは母親依存症であったのだが、マザコン に対する嫌悪感もあって一気に歪んだ認識が広まってしまったと言われる。
◇ たとえば、十代などであれば、まだその精神の成長・発達の途中段階であることも考慮されるべきではあるが、成人男性ならば特に「母親離れしていない」「自己決断力に欠ける」息子、と言う図式で捉えられ、マイナスイメージをともなう事柄が一般的になっている。
日本では「マザコン」はそのような男性を揶揄・軽蔑する言葉として用いられることが多いものの一つであると言える。
日本でこのような捉えかたをする理由には、いくつかの考察がある。
そのひとつに、将来的に良好な婚姻や新たな家族関係を送るにおいて実母へ偏重した優先順位や愛情を注ぐ夫は、その家庭生活自体をおびやかすことにもなりかねないと、家庭生活を女性(妻)側から一方的に評価する向きが、昨今の日本社会で多数を占めるようになった社会趨勢がある。
しかし、日本の家庭環境や社会にもその要因があり、マザコン を息子側である男性だけの責任とは言えない面もある。
例えば、母親には、子育てが終わり子が成人したのちもべったりとつきまとい、息子離れができないことが、マザコン 息子を生み出す原因として存在する。
父親には、子育てに関知せず、また家庭に無関心であり、さらに近年では妻との人間関係さえ上手に行うことのできないことなどの影響ももっている。
さらに、息子の妻・恋人となる若年女性における、日本男性への偏見などもある(これに関しては下記に記す)。
そのため、個人の問題である以上に日本における青少年と家族・家庭問題、男女関係を含めた社会現象の一つであるともいえる。
周囲から、その社会性で評価を得ていた二十代の青年男性が、実は「マザコンである」とされたことから、周囲から一転して低く評価されることなどは、若い(主に20代)世代では特に珍しいことではない。
日本ではこのように マザコン への社会的なネガティブイメージがある。
単に母親と二人で行動することがあったり、実家との連絡が密である(母親の携帯番号を登録している、履歴に母親との通信記録が残っている、など)夫や恋人をマザコンと思い、一人不安に悩む女性の相談などが、新聞やWEB上の悩み相談などで見かけられる。
また、熟年の女性に思慕を抱く若い男性、また熟年の芸能人・女優のファンである若い男性を「マザコン」と呼ぶ女性もいる。
ファッション雑誌などは、マザコン男性を見抜く「テクニック」としてそのような事例(実家との連絡をチェック、好きな芸能人のタイプから見極める、など)を挙げていることも、これに拍車をかけていると考えられる。
日本では、これら マザコン 男性に対する嫌悪感は、1992年にテレビドラマ「ずっとあなたが好きだった」が大ヒットし視聴率が高かった事で、それ以降から顕著になったと言われる。
現代では好ましいイメージを決して持たれない マザコン ではあるが、日本でも昔からそう思われていたわけではない。
社会学的・人類学的に考察した場合に、古くの マザコン 男性は、故郷の母親などに自分自身の立身出世や成長を見せようと努力する傾向があるとされ、社会的に成功した者の多くが少なからず(心理的に)マザコンであったとされる。
豊臣秀吉など、出世したといわれる男性は、マザコン の傾向を持ちながらも親孝行な息子として周囲から尊敬される場合もあった。
近年日本では「一卵性母娘」と言われる マザコン の女性も増えている。 ただし女性の場合は、微笑ましいこと、あるいは現代的なこととして好意的に報道されることも多く、男性のようなマイナスイメージを伴わない事が多い。
むしろ女性芸能人などは母親との距離の近さをアピールして好感度を高めるなどの現象が認められる。
一方女性の摂食障害には、しばしば母離れできない マザコン の心理が影を落としているという指摘もある。
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